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民話の森叢書9 ペローの昔話集 ―知識人の教養と民衆の伝承― 下

マルク・ソリアノ(著)
諸岡保江(訳)
樋口仁枝(訳)
笹本弘(訳)
樋口淳(訳)
発行:民話の森

ISBN:978-4-910603-46-9
C0039 四六判 522ページ

¥2,420

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本書の内容

サント=ブーヴ賞を受賞したフランスの文学研究者、マルク・ソリアノによる記念碑的学術書の全訳。

「赤ずきんちゃん」「眠れる森の美女」「長靴を履いた猫」などを収めたシャルル・ペロー『昔話集』は、世界でもっとも広く知られたフランス語テキストでありながら、その成立事情には多くの謎が残されてきた。本書は、ペロー昔話を単なる児童文学としてではなく、文献学・民俗学・社会学・精神分析といった人文諸科学の視点から再検討する。

下巻では、ルイ十四世治世下で官僚として活動したペローの社会的実像に焦点を当て、新旧論争や教育観が昔話の形成に果たした役割を明らかにする。さらに、精神分析的手法を用いて、「末子」「身代わり」「死と再生」といった反復モチーフの意味を読み解き、著者名をめぐる論争や出版史的問題にも検討を加える。最終部では、知識人の教養と民衆の伝承が交差する地点としてのペロー昔話の意義を総括する。

【版元による解説 (民話の森)】
本巻後半では、作者ペローの生涯と社会的立場を軸に、昔話集の成立背景が多角的に検討されます。

第三部では、典型的なブルジョワであるペロー家の人々が、自分たちの社会的な地位を守るためにいかに教育に力を注ぎ、ソルボンヌ大学を中心とした宗教論争に関わったかを記述します。

ペローは修了寸前の学業を放棄し、独学で勉強を続けてオルレアンで弁護士の資格を手に入れます。
そして同じくブルジョワ出身のコルベールに仕え、ヴェルサイユやルーヴルの建設に力を尽くし、アカデミー・フランセーズの会員として改革を推進し、ボワローやラシーヌと対立して新旧論争で新しい時代を擁護した曲折が語られます。

第四部では一転してペローの心の内面に迫り、彼の抱えた心の傷(トラウマ)が昔話に与えた影響を明らかにしようと試みます。

最後の第五部はいわば「まとめ」で、昔話とは何か、それを語り伝えた民衆の役割とは何かが語られます。

目次

■第三部 父と息子
◆第一章 ペローの『回想録』を読む技術と方法
1.伝記に対する期待
2.「ペロー回想録」という障害
3.自己弁護
4.参考資料としての『回想録』
5.ペロー家に関するいくつかの情報

◆第二章 ピエール・ペローとその家族――息子たちの教育と一族の宗教観
1.親たちの世代――父ピエールと母パケット
2.家族の状況
3.コレージュ・ド・ボーヴェ
4.古典授業の教科書
5.ペローとデカルト――ボーランとしでかした〈自主退学〉とその意味
6.独学者たち
7.特別徴税官ピエールは『田舎人への手紙』の火付け役なのか?――ペロー家のジャンセニスム

◆第三章 ビュルレスクの誘惑
1.「ビュルレスク版アエネーイス」の時期の問題
2.ビュルレスクの流行
3.作者特定の最初の研究
4.「地獄のユビュ王」
5.世紀の子どもの最初の読書
6.シタビラメとカレイの誕生

◆第四章 矛盾だらけのプレシオジテ
1.サロンとゲーム
2.作者特定の新たな論争
3.プレシオジテとその内容
4.不調和なプレシオジテ
5.「散文によるペロー昔話集」の中のプレシオジテの跡

◆第五章 コルベールの補佐官としてのペロー
1.政治色のない政治家
2.フロンドの乱のペロー家の人々への影響
3.フーケとコルベールのあいだで
4.シャプランとペロー――コルベールのもとでの職務
5.重商業主義
6.〈王の栄光担当〉、機構の中枢
7.コルベールと魔術師たち
8.ペローには私利私欲がなかったのか?
9.〈民衆の友〉

◆第六章 古代人近代人論争における〈道徳的芸術(art moral)〉の理論について
1.一六八二年から一六八三年にかけての歴史的転換
2.新たな均衡を模索するペロー
3.十六世紀の古代人近代人論争
4.〈再編〉期の論争――古典主義の〈公式見解〉はあるのか
5.さまざまな芸術分野での古代人近代人論争
6.一六八七年一月二十六日の衝撃的出来事
7.『古代人近代人比較論』
8.アルノーの仲裁

◆第七章 ペローの教育観と「ペロー昔話集」
1.ペロー夫人の出産
2.ペロー嬢の誕生時期
3.教育者ペロー
4.なぜ子どもたちは眠りながら笑うのか
5.ペローの教育学的書き込み――ロックの影響
6.青少年文学・芸術における道徳性に関する試金石

◆第八章 十七世紀末の青少年文学
1.前例のないジャンル――十七世紀の青少年文学という特別な形式
2.ルイ十四世治世下における青少年向け文学の流れ
3.〈道徳性(モラリテ)〉の三つの方向
4.子ども向け物語と大人向け物語の混合
5.子どもたちのあいだで「ペロー昔話集」が成功した理由
6.ファエルヌ『寓話集』の正確な年代
7.ラ・フォンテーヌとペロー――作者を特定する新たな論争か

◆第九章 一六九七年春のドラマ
1.事件の跡をたどる
2.ギヨーム・コールの死
3.仕事の事故、もしくは争いの結果――若気のいたりについての二つの指摘
4.お気に入りの息子と神童
5.献辞の意義
6.コール事件の結果



■第四部 双子
◆第一章 フランソワ・ペローとは誰だったのか
1.フロイトがいた世界で考える
2.ペローは精神異常者だったのか
3.書き違い
4.特質・潜在能力・才能――「巻き毛のリケ」の図式
5.知的な記憶と体験
6.双子についてのクロード・ペローの余談

◆第二章 相対立する兄弟
1.双子の条件
2.シャルル・ペローは一卵性の双子か、二卵性か
3.誕生時のペローの体重
4.シャルルはなぜシャルルという名なのか
5.スーダンの人形
6.ペローの学業の遅れ
7.なぜボーランか
8.尊敬され、蔑ろにされた父
9.不確かな性(le sexe contesté)
10.会話の広がりと協力の必要
11.知性ある男の失敗
12.ペローはコルベールに好意を持っていたか
13.伝記的指標
14.またしても調停者アルノー

◆第三章 暗号文としての「昔話集」
1.再び方法について
2.「昔話集」の裏献辞
3.解決された問題を前提とすること
4.九去法による検算――混沌たる双子の世界
5.両親のふさわしからぬ態度
6.不安な状態――不確かな男らしさ
7.履く人を疲れさせる長靴
8.誰が長男を殺したか
9.狼の身元確認
10.望まれた悪夢
11.シャルル・ペローは演説上手か否か

◆第四章 死の位置
1.ある総括の試み
2.裏献辞を受けた側の直接的・間接的影響――ボワロー、ラシーヌ、アルノー
3.名詞と語呂合わせ
4.純朴な人
5.死の位置
6.「ペロー昔話集」の裏側

■第五部 もっとも普遍的な問題
◆第一章 昔話の魔法(le merveilleux)
1.歴史主義の危険
2.昔話の魔法(le merveilleux)の普遍性
3.元型という考え方――その出現の歴史
4.昔話は不変であると同時に変化する――その変化
5.何が変わらないのか
6.想像力の働き
7.科学的真理と宗教的教理の共存

◆第二章 民衆という概念
1.〈芸術の奇跡〉
2.民衆という概念の曖昧さ
3.芸術の幼児性と人間の幼児性
4.論理的な不条理
5.民衆は創造する、民衆は創造しない
6.民衆文芸の匿名性
7.〈民衆的〉とはどういうことか
8.まとめ

原注、略語表
解説

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