【本書の内容】

「ジェンダー」、「エスニシティ」、「人種」にくらべるならば，
「貧困」もしくはそれと密接に連関する「階級」は、日本のアメリカ研究において十分に考察されてきたテーマであるとはいいがたい。
本書では「貧困」のテーマから見えてくるアメリカ像を検証する。

【目次】

座談会「Black Lives Matter運動から見る
アメリカの人種問題の現在と過去」 …………………………………………

特集論文：「貧困」
米国における低所得層向け消費者信用市場の再創出
………………………………………………………………… 大橋　陽

「通りで物乞いをする黒人を見かけることはほとんどありません」
―20世紀前半のボストンにおける貧困と人種―
………………………………………………………………… 大森　一輝

全米福祉権団体の解体
―体系的人種主義，ジェンダー，反福祉のイデオロギー
………………………………………………………………… 土屋　和代

人間の尊厳と二つの貧困――
カーヴァー，スタインベック，コールドウェル
………………………………………………………………… 山辺　省太

自由論文
動物たちのカラーブラインド・キャスティング
ミュージカル『ライオンキング』における
ジュリー・テイモアの表象戦略 ……………………. 武田　寿恵

トランプ大統領を巡る労組の分断
―ビジネス・ユニオニズムからの転換とジレンマ―
………………………………………………………………… 冨田　晃正

テキサスとアジアの境界地(ボーダーランド)
―ローランド・ヒノホサ『コリアン・ラブソング』と『役立たずのし
もべ達』における人種・民族的アイデンティティの交錯―
………………………………………………………………… 松田　卓也

長文書評
Ai HISANO, Visualizing Taste:
How Business Changed the Look of What You Eat
………………………………………………………………… 鈴木　透

FURUI, Yoshiaki. Modernizing Solitude: The Networked Individual in
Nineteenth-Century American Literature ………. 髙尾　直知