民話の森叢書1 グラビアンスキーの絵本ペロー昔話集
シャルル・ペロー(著/文), ヤーヌシ・グラビアンスキー(イラスト),
寺田恕子(翻訳), 樋口淳(翻訳)
発行:民話の森
販売:国際文献社
ISBN:978-4-910603-11-7 C0098 四六判 272頁
¥2,420
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本書の内容
絵本作家・グラビアンスキーのイラストとともに、がちょうおばさん(マザー・グース)の語るペロー『昔話集』の全てを紹介する
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◆「赤ずきん」「シンデレラ」「眠れる森の美女」。大人も子供も、世界中の誰もが知っている昔話のすべてを、グラビアンスキーのかわいいイラストとともにお届けします。
◆グラビアンスキーは若くして亡くなりましたが、残された絵本はいまも世界中で愛され続けています。しかしこの『ペローの昔話』絵本にまさるものはありません。
◆グラビアンスキーのイラストは、ヴェルサイユの宮廷人ペローの洒落ていながら、ちょっと残酷な世界によく似合います。
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目次
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Ⅰ 過ぎし昔の物語とその教訓
・姫君(シャルロット・ドルレアン)への手紙
・眠れる森の美女
・赤ずきんちゃん
・青ひげ
・猫の親方、あるいは 長靴をはいた猫
・妖精たち
・サンドリヨン または 小さなガラスの靴
・巻き毛のリケ
・親指小僧
Ⅱ 韻文による物語
・序文
・グリゼリディス
・ロバの皮 L***(ランベール)侯爵夫人へ
・おろかな願い
・ド・ラ・C***(フィリス・ド・ラ・シャルス)嬢へ
解説
1 シャルル・ペローとは誰か
2 ペロー昔話集の成り立ち
主要参考文献
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【叢書編著者解説】
民話の森 樋口淳
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絵本作家・グラビアンスキーのイラストとともに、がちょうおばさん(マザー・グース)の語るペロー『昔話集』の全てを紹介する。
グラビアンスキーはポーランド出身の優れた絵本作家だが、わずか47才で1976年に亡くなってしまった。彼は、ペローだけではなくグリムやアンデルセンの「童話集」にも絵を提供しただけでなく、動物や植物を愛して、さまざまな生き物をテーマにした絵本を残した。本書は1967年に仏の出版社フラマリオンから刊行された『シャルル・ペロー昔話集』をカラーで再現した、没後50年以上を経たグラビアンスキーへのオマージュ(顕彰)である。
ペローの昔話集には、ギュスターヴ・ドレの見事な版画入りの1862年版があるが、そこには残念なことに9話しか収められていない。それ以降今日に至るまで、ドレやグラビアンスキーほどの素晴らしい挿絵を収め、大人も子供も楽しめる『ペロー昔話集』は存在しないと言っていいだろう。しかもグラビアンスキーのフラマリオン版にはペローの残した11話の昔話が全て収められているのである。
本書の翻訳者である寺田恕子は、大学時代に指導を受けた辻昶とともに『長靴をはいた猫』(旺文社・1977)を刊行し、ペローが残した昔話とその関連資料をほぼ完訳し、我が国のペロー研究の嚆矢となった。
本書は、グラビアンスキーと寺田恕子の二人の優れた業績を合わせて成立したものである。ペローの11話のうち、「グリゼリディス」「ロバの皮」「愚かな願い」の3話は、当時のしきたりに従った韻文だが、日本語で韻を踏むことは不可能なので、分かりやすい読み下し文にあらためた。このことは、「ロバの皮」以降の昔話を散文での発表に切り替えたペローの意向にも沿うものであると考える。ペローとその子供たちに昔話を語った「がちょうおばさん=マザー・グース」は庶民であり、韻文で昔話を語るようなことはしなかったからである。