水中音の計測と評価
海洋音響学会
2023年4月1日
ISBN 978-4-910603-17-9
C3056
60ページ
【本書の内容】
この本の想定対象読者は、海洋開発に伴う騒音アセスメントに携わるすべての方々です。
本書では、「海洋開発に伴って水中に放射される人工音が、水産資源をはじめとする海洋生物にどのような影響をもたらすか」という問題意識に基づき、それを科学的に評価するための前提となる計測手法をわかりやすく解説しています。
また、現場海域に適用する際の注意点、計測例、機材の選択ほか、よくある質問への回答にも触れ、多面的かつ実用的な内容となっています。
【本書の目次】
1章 水中の音とその影響
1-1 水中の音
1-2 海洋生物の音
1-3 水中の人工音
1-4 海洋生物の聴覚
1-5 海洋生物への音の影響
1-6 水中音の影響に関する国内外の議論
1-7 洋上風力に係る水中騒音問題の現状
2章 水中音の不思議な振る舞い
3章 水中音計測のガイダンス
3-1 特定音の計測
3-1-1 特定音の計測における注意点
3-1-2 特定音の測定方法
3-2 背景音の計測
3-2-1 背景音の計測における注意点
3-2-2 背景音の計測方法
4章 特定音の音源レベルと伝搬減衰係数の推定
4-1 測定点の選定根拠
4-2 音源レベルと伝搬減衰係数の推定
4-3 極浅海域の音波伝搬のシミュレ-ション
4-3-1 浅海域の音波伝搬の特徴
4-3-2 FDTD法による浅海域の音波伝搬解析
5章 水中音の影響評価
5-1 安全距離の評価法
5-2 全国10海域における水中背景音の連続観測例
5-2-1 調査方法
5-2-2 調査結果
5-2-3 各海域の背景音の特徴
5-2-4 まとめと今後の展望
6章 測定編
6-1 水中音の録音方法
6-1-1 特定音の計測機材
6-1-2 特定音の計測方法
6-1-3 特定音の計測時の注意事項
6-1-4 背景音の計測方法
6-1-5 特定音と背景音の計測例
6-2 水中音響計測機材の設置と回収
6-2-1 事前準備
6-2-2 設置方法
6-2-3 回収方法
6-3 水中マイクロホンの校正
6-3-1 測定を行う上での注意点
6-3-2 受波器基準での無響水槽での測定例
6-3-3 送波器基準での無響水槽での測定例
6-3-4 海上での測定例
6-4 水中録音機および水中マイクロホン
7章 水中音の影響評価の調査設計
7-1 海棲哺乳類の観察手法
7-2 BACIデザインに基づいた調査設計
8章 我が国での水中音影響評価ガイドライン作成に向けた提言
9章 Q&A
海中音の計測手法・評価手法のガイダンス要約