シェアド・リーダーシップ入門
最上雄太 著
2023年7月1日
ISBN 978-4-910603-20-9
C3034
259ページ
●著者について
最上雄太(モガミユウタ)
株式会社IDEASS(イデアス)取締役。1970年山形県山形市生まれ。
シェアド・リーダーシップ開発の専門家として、組織開発・リーダー開発支援に従事。
多摩大学院経営情報学研究科博士課程修了。経営情報学博士。
主要著作は、『シェアド・リーダーシップが発生するメカニズムの質的研究 組織変革チーム「挑戦者の会」のエスノグラフィー』多摩大学博士論文.2023年など。
●下記から書籍内容についてのインタビューをご覧いただけます。
参考URL①:https://bunken.co.jp/it/leadership-interview-1/
参考URL②:https://bunken.co.jp/it/leadership-interview-2/
参考URL③:https://bunken.co.jp/it/leadership-interview-3/
ライオン博士がリーダーシップの最新テーマを解説!著者のYouTubeチャンネルはこちら
参考URL④:https://www.youtube.com/@Lions_LeadershipAcademy
【本書の内容】
★自律的に動く組織・チームのあり方に興味がある方へ
☆新しいリーダーシップの考え方を紹介!
★リーダーとしての役割を複数人で分け合う (share)
☆「対話」と「関係」が組織変革のカギに!
本書は、一人ひとりが自律的にリーダーの役割を担うことを目指す新しい考え方を紹介した実務者向けの一冊です。
この本では、まずリーダーシップ研究の流れから説き起こし、シェアド・リーダーシップという考え方が登場してくる経緯や特徴を理解します。次に、リーダーを起点とした「対話」による組織変革例から、シェアド・リーダーシップがいかに生じるのかを読み解いていきます。
本書は実務者向けに書かれており、組織で働くリーダーの方が、リーダーシップを学ぶテキストとしてご利用いただける書籍となっています。また、リーダーシップに関心がある修士・博士の方にも、リーダーシップ理論の参考文献として活用いただけます。
【本書の目次】
●序文 法政大学大学院政策創造研究科教授 石山 恒貴
最上氏との出会い
タテの壁とヨコの壁
実証主義的認識論と社会構成主義的認識論
シェアド・リーダーシップと再帰性
●はじめに
●イントロダクション
研究への入り口
タテの壁とヨコの壁
シェアド・リーダーシップとは
シェアド・リーダーシップの定義
●第1部 リーダーシップ研究
第1章 リーダー中心アプローチの変遷とタテの壁
1 特性研究 ―タテの壁の発見―
2 行動研究 ―特性への回帰―
3 コンティンジェンシー研究 ―タテの壁の克服に向けて―
4 ニューリーダーシップ研究 ―再び特性へ―
第2章 関係アプローチとヨコの壁
1 社会構成主義とは
社会構成主義の基本的特徴
従来的な研究に向けられたガーゲンの批判的態度
2 関係アプローチの視座とは
「実在視点」と「関係視点」
関係アプローチの諸研究
ホスキングおよびダーラーの研究
ドラスおよびハーステッドとガーゲンの研究
3 タテの壁とヨコの壁によるいきづまり
第3章 シェアド・リーダーシップとは
シェアド・リーダーシップの特徴
シェアド・リーダーシップの効果
シェアド・リーダーシップの未解明点
●第2部 理論と方法
第4章 シェアド・リーダーシップの先行研究
先行因子
公式なリーダーに関わる先行因子‥タテの関係
チームの特徴に関わる先行因子‥ヨコの関係
結果因子
個人レベルの結果因子
チーム・レベルの結果因子
組織レベルの結果因子
リサーチ・クエスチョン
第5章 解釈的アプローチ
「事例研究」との相違点
事例解釈の妥当性
エスノグラフィー
第6章 ダイアローグ概念
1 ダイアローグとは
双方向に変化を与え合う関係
意味の創出
継続的なプロセス
2 ダイアローグ概念を用いた分析枠組み
●第3部 エスノグラフィー
第7章 フィールドワークの概要
1 Z支社の概要
2 調査方法
分析データ
分析方法
第8章 モノローグ組織
1 モノローグの関係
ファースト・コンタクト
最初の対話
プロジェクト・メンバーの公募
「モノローグの関係」の露呈
不満の蔓延
2 成果主義による狭窄
数字を出すという唯一の価値
よそよそしい上司部下の関係
個人主義への傾斜
道徳の軽視
怒られても気にしない
「できない」と言う実践
モノローグの関係の再現
3 モノローグ組織の様相
上野のコミット
上野をめぐるモノローグの関係
改善者の会の収束
モノローグ組織の様相
第9章 モノローグ組織からの脱却
1 挑戦者の会の発足前夜
2 「慚愧」の表明
上野の語り
「慚愧」の表明
うまくいってない現実をみつめる
決済書マネジメント
SNS日記の導入
3 「モノローグの自覚」
モノローグの自覚
「やってみる」 ―心の改善を意識する―
「やってみる」 ―指導不足を反省する―
「やってみる」 ―とくとくと話をする―
シェアド・リーダーシップの兆候
4 「慚愧」の共鳴
矛盾と揺らぎ1
矛盾と揺らぎ2
「モノローグの自覚」の強化
「慚愧」の共鳴
シェアド・リーダーシップの鮮明化
5 シェアド・リーダーシップの発生
あなたが変わるならば私も変わる
互いの「やってみる」を承認しあう
言うべきことを言い合う
リーダーの「慚愧」についていく
●第4部 まとめと考察
第10章 まとめ
モノローグ組織の容態
シェアド・リーダーシップの発生:三幅対の変容プロセス
最終章 これからのシェアド・リーダーシップ研究と開発
1 理論的な意義
シェアド・リーダーシップ発生を捉える観点
公式なリーダーの存在感と再帰性
2 シェアド・リーダーシップの効果性
3 シェアド・リーダーシップをつくる5つの戦略
チームの編成
リーダーの意思表明
SNS日記
ダイアローグの場づくり
コンサルタントの視点を導入する
4 今後のシェアド・リーダーシップ研究
シェアド・リーダーシップを開発する試み
シェアド・リーダーシップがいかに広がるのか
5 シェアド・リーダーシップ開発の最前線
●あとがき
●注
●索引